目次
ゲーム概要
『The Dark Pictures : House of Ashes』は、2021年10月22日に発売されたホラーアドベンチャーゲームです。本作は「The Dark Pictures」シリーズの第三作目としてリリースされました。本シリーズの主な特徴として、プレイヤーの選択がキャラクターたちの命運を左右する緊張感のあるストーリー展開や、実在する俳優や女優たちが登場人物を演じる映画のようにリアルなグラフィック表現、そして探索によって手がかりを集め事件の真相を明らかにするアドベンチャー要素が挙げられます。
なお本作にはソロプレイモードのほか、最大5人で1つのコントローラーを渡し合いながらオフラインマルチプレイが楽しめる「ムービーナイト」モードと、最大2人でのオンラインマルチプレイが可能な「シェアストーリー」モードが用意されています(※オンラインマルチプレイの際はPS Plus等への加入が必要です)。
あらすじ
物語の舞台はイラク戦争末期の中東。兵士や学者などの専門家からなる特殊部隊は、山岳地帯に隠されているという化学兵器施設の捜索任務を負います。しかし現地のパトロール隊に襲撃され、双方が争う最中になんと地震が発生。陥没した地面に投げ込まれた彼らは、当初の目的よりもっと恐ろしいものを発見してしまいます。地下深くに埋もれたシュメールの神殿。そこには、獲物の訪れを待つ邪悪な何かが潜んでいたのです・・・。プレイヤーは、地上では対立関係にあった5人の登場人物たちを操作し、地下神殿からの脱出を試みます。
対応プラットフォーム
PS4 / PS5 / Xbox One / Xbox X|S / PC(Steam) ※2021年11月26日時点
異なる機種間でのマルチプレイ(クロスプレイ)に未対応です。
マルチプレイ人数
オフライン(ムービーナイト) | 2~5人 |
オンライン(シェアストーリー) | 2人 |
実況プレイ&解説動画(生放送)
協力プレイ手順(オフラインマルチ) ※PS5
ゲーム開始直後から協力プレイが可能です。
- ゲームを開始します。
- 『複数人でプレイ』を選択します。
- 『ムービーナイト』を選択します。
- 『ニューストーリー』を選択します。
- 新しいセーブデータを作成します。
- プレイヤー設定画面が表示されますので、参加する人数分プレイヤーを追加し、任意でプレイヤー名を設定します。
- 7.設定が完了したら一番右にカーソルを動かして『READY』を選択します。
- 各プレイヤーが操作を担当するキャラクターの割り当てを行います。
- 割り当てが完了後、『READY』を選択するとゲームが開始します。
初めてゲームを遊ぶ際のやり方を記載しています。
レビュー
オススメする点
- プレイヤーの選択が登場人物の命運を左右する緊張感
- 没入感が高く、探索が面白い
- 「敵の敵は味方」をテーマに人間の本質を描くシナリオ
- プレイヤーの選択が登場人物の命運を左右する緊張感
ゲームシステムは過去作と同様に、会話パート(ムービーシーン)と探索パートから構成されています。特に会話パートでは、その後の展開を大きく変化させるような重要な選択肢が提示されることがあります。これらの選択肢には制限時間が設けられているのですが、これが結構短め。にも関わらず、選択次第では登場人物の生死が左右される事もあり、サクッと決断するには重すぎる内容がプレイヤー(の握るコントローラー)にのしかかります。例えば、「2人とも助けたいのに、どちらか一方しか助からない・・・」と言う難しすぎる状況で判断を下す場面では「本当にその選択で良いのですか?」とこちら側の意志を繰り返し確認するような演出まであり、まるで登場人物の心の葛藤が伝わってくるようでした。

一方各所で発生するクイックタイムイベントでは、ボタン連打やリズムゲーム、シューティングなど多彩な操作を求められます。こちらも操作ミスが登場人物たちの命を奪ってしまう可能性があるため、常に気を抜けません。

なお協力プレイ時はプレイヤー同士で意見を出し合いながら一緒に方向性を決めることができます。ただしどんなに選択に迷っても、結局最後に決断するのは自分自身。そのため限られた時間の中で登場人物たちの行く末を決める本作の「選択」という操作は他のどんなクイックタイムイベントよりも難しく、そして面白いと感じました。
- 没入感が高く、探索が面白い
>>前作からの変更点
実写のようにリアルなグラフィックが特徴的なDark Picturesシリーズですが、本作は次世代機にも対応していて、さらに磨きがかかったグラフィックを楽しめます。また、固定カメラを廃止して360度カメラに対応しているほか、懐中電灯ボタンが搭載され好きなタイミングでのオンオフ切り替えが可能になっているなど、操作性が全体的に向上し、探索時の没入感も高くなっています。

>>手がかりとヒント探し
探索パート中に残されたメモや本、遺物などを調べると『秘密』を発見できることがあります。『秘密』からは過去の出来事を知る事ができ、その情報を元に現在と過去の状況を比較したり、対峙している得体の知れない“何か”の正体についても考察することが可能です。そのため探索によって『秘密』を発見することが物語へのより深い没入に繋がりました。また、協力プレイ時は操作していない方のプレイヤーが「あそこに何かあるよ!」と声をかけて探索をサポートしたり、『秘密』から得た情報が刺激となってプレイヤー同士の意見交換の機会が生まれることがありました。したがって直接的な連携要素はないものの、常に不安と好奇心を共有できるところが本作の協力プレイの良さだと感じました。

一方『予感』は、エリア内に落ちている石板を調べると発見できます。『予感』を見つけるとムービーが再生され、怪物に襲われたり爆発に巻き込まれるキャラクターたちの様子をチラ見せしてもらえます。これらは未来に起こるかもしれない不吉な出来事を示しています。見た後すぐに役立つわけではありませんが、実際にトラブルに巻き込まれたとき、どういう結末になるか「知っている」と「知らない」では対応に大きな差が出ると思います。全員で生還するためにも、注意深く探索して収集物を発見したいところです。ちなみに私は全員生存ルートを見るまで3周もかかりました泣きそう

- 「敵の敵は味方」をテーマに人間の本質を描くシナリオ
本作の物語は、古代から続く人間同士の争いをテーマにストーリーが展開していきます。「争い」には戦争という大きな事象だけでなく、男女の三角関係や、仲間とのトラブルといったもっと身近な人と人の争いも含まれています。全5人の操作キャラクターは全員何らかの後ろめたい過去を持っており、閉鎖された地下空間に閉じ込められ未知の敵に襲われる中で「敵の敵は味方」という奇妙な協力関係が成立し始めます。本作における地上と地下は「人間がうわべの感情を見せている場」と、「深層心理が露わになる場」という見事な対比で演出されています。そのため地下深くに潜っていくにつれ、彼らが本当に思っていることが言葉や行動に出始めます。隠そうとしていた各自の問題が浮き彫りになるなかで、それが解決に向かうかどうかはプレイヤーの決断次第でもあります。困難を乗り越えた先に、各キャラクターが抱えていた問題や争いがどのように変化していくのか…。プレイヤーは、過去作以上に相手の深層心理を読み取り、賢明な選択をする必要があります。物語が進むほどに各キャラクターが抱えている悩みをまるで自分のことのように考え、行動するようになる。そういった没入感の高い作品だと思いました。
注意する点
- ムービースキップができないので周回プレイがキツい
- 過去作に比べ怖さが軽減されている
- グロテスクな描写や流血表現などが多い
- ムービースキップができないので周回プレイがキツい
1周目だけでは全員生存ルートに進めなかったので2周目、3周目とプレイしたのですが、ムービースキップができないので時間がかかりしんどかったです。とは言え本作はボリュームがそこまである訳では無く、大体5時間程度でクリアできる程度の長さです(価格相応なのかもしれませんが・・・)。実績解除や全員生存ルートに興味が無く、エンディングさえ迎えたらもういいやというプレイスタイルの方はあまりボリュームが無いところに注意が必要です。また、しっかりとやり込みプレイをする方にとってはムービースキップや会話の早送り機能が無いことがネックになると思います。
- 過去作に比べ怖さが軽減されている
登場人物たちがみんな軍人で武器を装備しているということもあり戦闘シーンが入る回数が多く、シリーズ過去作と比べてもアクション風味の強いアドベンチャーゲームに仕上がっています。さらに戦闘シーンの多さから必然的に敵の姿形が分かるまでが早く、ほぼ序盤から何と戦っているのかが明らかになっています。そのせいで、過去作にはあった「得体の知れない何かと戦っている」という不気味で、夢に出そうなくらいの恐怖を覚えた演出は今作では殆ど楽しめませんでした。敵の形が分かっているだけに何度登場されても「あ、また出た!」と思う程度で、絶叫するような場面も少なく、あっても大きな効果音のあるところでビックリする程度でした…。そのため、ホラー要素を期待して購入するとちょっと肩透かしを食らうかもしれません。
- グロテスクな描写や流血表現などが多い
選択ミス、操作ミスなどさまざまな理由で登場人物たちの命が容赦なく奪われていくのですが、その時の描写がリアルでグロテスクだと感じました。さらに流血シーンも多く、気持ち悪い生物なんかも出現するので猟奇的な表現が苦手な方は注意が必要です。全体的に見ても今作はホラー描写よりグロテスクさが目立つ作品です。
オフライン協力プレイの仕様
協力プレイの特徴
- 一つのコントローラーを複数人でシェアしてプレイする
- 自分が担当するキャラクターの番が来るまでは見守ることしかできない
協力プレイ環境
PlayStation5本体 | 1台 |
ソフト | 1本 |
コントローラー | 1台 |
ムービーナイト(オフラインマルチプレイモード)では、1つのコントローラーをプレイヤー間で渡し合いながらプレイします。
二人協力プレイに掛かった費用
ソフト代 | 3,520円 ※2021年11月26日時点 |
オンラインサービスへの加入 | PS Plusに加入が不要 ※オンラインマルチプレイ時は、PS Plusに加入が必要です。 |
夫婦コメント&評価
夫コメント

最戦闘シーンが多めで敵の姿がすぐにわかってしまうため、過去作に比べると怖さが軽減されているように感じました。ホラー要素に期待して購入したので、そこがちょっと残念でした。その代わりに探索時の操作性が向上しており、未知の場所を探索するワクワク感が味わえます。僕たちは難易度ノーマルでプレイしたのですが、クイックタイムイベントが少し難しく何度か操作ミスをしてしまいました。焦らずプレイしたい方は、難易度設定からクイックタイムイベントや選択肢の時間制限を変更できます。
妻コメント

過去作に輪をかけてシナリオとアドベンチャー部分に熱量を感じました!「邪悪な何かの潜む地下神殿」、「対立関係にある人々が、ともに窮地に陥る」・・・こんなシチュエーションにビビッと来る方におすすめです。ただ、過去作で味わったようなホラー体験を求めている方にはちょっと物足りないかも?後まで引きずるような怖さはなく、グロさの方が目立っていました。本作の物語は、はるか昔から人類が争い合ってきたことを象徴する場面から幕を開けます。ですが、「争い」とは本当に人間の本質なのでしょうか。それとも「争い」が発生する別の要因があったのでしょうか・・・?興味を持った方は、ぜひゲーム内で真相を確かめてほしいです!