目次
ゲーム概要
『ドラえもん のび太の牧場物語 大自然の王国とみんなの家』は、2022年11月2日に発売されたほのぼの生活ゲームです。本作の主な特徴として、絵本のように温かみのあるグラフィック、仕事や生活に役立つドラえもんのひみつ道具、季節イベントや住民との交友などのコミュニケーション要素が挙げられます。
なお本作は最大2人でのオフラインマルチプレイに対応しています。
あらすじ
物語の舞台は、ゆったりと四季が流れる自然豊かな「イリマ星」。色んな民族がともに暮らすこの星にやってきたのび太たちは、ここで出会った少年・ライトの夢を叶えるために、みんなでルームシェアをしながら牧場を盛り立てていくことになります。
対応プラットフォーム
PlayStation5 / Nintendo Switch / Steam
※2022年12月22日時点
プレイ人数
最大2人(オフライン)
実況プレイ&解説動画(生放送)
協力プレイ手順(オフラインマルチ)※PS5
チュートリアル完了後、すぐに協力プレイが可能です。
- あらかじめ2P用のコントローラーをPS5に認識させておきます。
コントローラの認識方法はこちら - □ボタンを押してメニュー画面を開き、R1ボタンを押して「システム」タブを開きます。
- 「2人用プレイで遊ぶ」を選択します。
- 「2人用プレイを開始しますか?」と表示されたら、×ボタンを押して「はい」を選択します。
- 協力プレイが開始されます。
みんなの家にある「糸なし糸でんわ」を調べる事でも協力プレイを開始できます。
レビュー
オススメする点
- 絵本の様なタッチでのグラフィックや季節の雰囲気に合わせて変わるBGMが素晴らしい
- クリア後も含めて、たっぷりじっくり遊べる
- 「大人になっても」、童心にかえれる様な心温まるストーリー
- 絵本の様なタッチでのグラフィックや季節の雰囲気に合わせて変わるBGMが素晴らしい
イベントの進捗による各キャラの成長や心境変化に応じて、そのキャラの部屋内装や外観に変化があり、こだわって制作していると感じました。 他にも、特花火まつり・流星群・ランタンまつり・蛍まつりなど季節イベントのグラフィックはゲームをプレイしていない時にも印象に残っているほど綺麗です。しずかちゃんも言っていましたが、おとぎ話の中にいるような気分を味わえました。さらに、徐々に夕方になったり、陽が落ちて辺り暗くなってくると言った時間帯の移り変わりの演出も素晴らしいです。
本作はアイテムのアイコンデザインにもこだわっています。野菜やひみつ道具はもちろん、メニューが大体130種ぐらいある料理に全て個別のアイコンが用意されていて、本当に美味しそうでなんだか見ているだけでワクワクしてきます。カレーやお好み焼きなど定番料理から、「イワシのベッカフィーコ」のような外国の料理なども用意されています。また、各お店の細かい部分まで丁寧に書き込まれた内装にもこだわりを感じました。特に雑貨屋さんの作り込みは圧巻です。ドールハウスにも通ずるデザイン性の高さを感じました。また、動物のグラフィックがどれもかわいいのでお世話するのが楽しく、色違いなどのやり込み要素もありました。 さらに本作はBGMの出来もとても良いです。季節によってBGMが変わり夜になるとテンポが遅くなったりと雰囲気に合っていて、特に冬の夜はローテンポで寒さが伝わってくる様な落ち着いたメロディーに癒されました。雪が降っている時などは雰囲気が増して、少しだけ現実から離れてイリマ星で過ごしているようなリラックスした気持ちにさせてくれます。
- クリア後も含めて、たっぷりじっくり遊べる
協力ゲーム通信が比較的ゆったりプレイしても、春・夏・秋・冬の一年間をプレイするのに約60時間(ゲームクリアまで約50時間)かかりました。ひみつ道具や便利機能のがちょうど良い塩梅で追加され、ゲームプレイが徐々に便利になっていくのがいい感じのスパイスになっています。そのため作業感の出やすい農業系ゲームのテンポの悪さをあまり感じずプレイできました。また本作には空にも畑があったり海中にも少しだけですが行けたりとゲーム内で出来る事が多彩なので、いつまで経っても牧場内にこもりっきり…という事が起こりづらく飽きにくいところも良かったです。
季節に応じて、各種イベントミニゲームの様な射撃競争もありますが、本番は各種コンテストです!作物コンテスト、料理コンテスト、動物コンテストはガチでやりこまないと勝てない玄人向けコンテンツでした…!!料理器具の熟練度をMAXにして、できる限り高品質の素材で作った自信作の「マカロン」で挑んだしずかちゃんとの勝負の料理コンテストでしたが…結局しずかちゃんのショートケーキに負けてしまい悔しくて2人で叫んじゃいましたww コンテストでは料理に使う素材にもこだわる必要があり、牛や鶏を愛情たっぷり育てて牛乳や卵の品質を上げる事に加えて、作物の品質改善も求められます。この作物の品質上げにはかなり苦労しました。毎日水を上げる前に肥料をあげて、ようやく少し品質が上がった作物が収穫できたらそれを高品質な種に変え、それを植える→肥料→収穫→種にする。このサイクルを繰り返すとようやく品質が上がっていきます。そうして出来上がった作物を使って調理し、コンテストに出場する……という究極のやり込みコンテンツが料理コンテストだと思いました。また、2年目には栽培できる作物の種類が増えるので、かなり長く遊べるゲームです。
- 「大人になっても」、童心にかえれる様な心温まるストーリー
こどもの純真無垢な行動や発言に触れると大人になってもぐっとくるものがあります。のび太の思いやりにあふれた発言や行動によって、何らかの問題を抱えているイリマ星の住人たちは、徐々に心の重しを取り払われていきます。王国には4つの種族が暮らしていて、それぞれ仲が悪いわけではないですが一定の距離をとって過ごしています。しかしストーリーを進めていくにしたがって種族間の壁は徐々に取り払われていきます。「牧場をにぎやかにするため頑張るのび太」を中心に「優しいしずかちゃん→診療所で働く」「情熱的なジャイアン→木材加工屋で働く」「知的なスネ夫→レストランで働く」ことになり、みんなそれぞれイリマ星の人々と生活を共にしながら住人たちが抱えている問題に寄り添おうと奮闘します。本作の物語ではのび太たちが成長すると同時に現地の人たちも心の悩みを乗り越え成長していく様がドラマチックに描かれており、おとなからこどもまで分かりやすい物語だからこそ感慨深く、思わず涙する場面もありました。
注意する点
- 協力プレイ中に遊びにくさを感じる部分がある
- ストーリーを進めるには全員の友好度あげる必要があるシステムが気になった
- 感動的なシーンや重要なシーンでの演出がイマイチ
- 協力プレイ中に遊びにくさを感じる部分がある
家具の模様替えをするとごく稀にフリーズします。(体験版でも発生していたのですが、製品版でも引き続き発生します)協力プレイ中はカメラを引いて全体を見る事が上手くできず(二人の距離に応じて自動でカメラが寄ったり引いたりします)、牧場が大きくなると全体が見れず不便に感じました。それ以外にも2P(ドラえもん固定)は目玉のひみつ道具が使えなかったり、カバンがひらけない、道具のショートカットが1Pと同じで独自の設定ができない、夜に作業するときライトがつかず周囲が真っ暗だったりと、おまけ感が満載なのが残念でした。たとえばNPC(しずかちゃんなど)を連れて行く場合にはNPCの行動によって体力が減ることはないのですが、協力プレイにすると1Pと2P両方で体力を使う事になります。そのため体力が少なくてお金に余裕のない序盤では朝6時に作業を開始しても8時30分には体力が尽き、「さっき起きたばかりなのにね…」と会話しながらも昼寝をさせ、起きて納品などの作業を終わらせてから夕食まで再度昼寝し、結局夜にも作業することになってしまいました。本作を2人でプレイする際は、こうした「2人でプレイするよりNPCに手伝ってもらった方が効率が良い」というパターンに陥りやすい点に注意が必要です。ただし体力が増えてお金に余裕ができてくるゲーム中盤からクリア後にかけては、料理を食べたり回復薬を惜しげも無く使えるようになるので、水やり・採掘などの作業を素早く進めたり、NPCにはできない作業(収穫や家畜の世話など)を一緒にしたりと協力プレイの恩恵を最大限受けられるようになっていきました。
- ストーリーを進めるには全員の友好度あげる必要があるシステムが気になった
基本的なゲームの流れは、農作業・家畜のお世話・釣り(釣りは体力を使わないので序盤は助かりました)でお金を稼ぎながら、登場キャラクターに話しかけたりプレゼントをあげたり町の掲示板の依頼をこなして好感度を上げ、住人関係のストーリーをそれぞれ進めて行く事でメインストーリーが進んでいく…といった感じになっています。ストーリーを進めるためには住民全員の好感度を上げる必要があるので、ゲームを進めていく中で次第に、「決められたスケジュールでいかに効率的に全キャラに話しかけてプレゼントを渡すか」を突き詰めるプレイになっていきました。もっと自由度の高い遊び方を期待していたのですが…(好感度によって会話内容が変わったりはするもののパターンは数える程度なのも残念でした)。この好感度上げ作業に縛られながら牧場生活が進んでいく感じに、スローライフを期待していた自分は肩透かしを食らってしまいました…。
- 感動的なシーンや重要なシーンでの演出がイマイチ
「ここはアニメーションで観たい!」というシーンでも静止画で済まされており、表情が変わる程度で動きが無いので寂しさ・物足りなさを感じました。時には真っ暗な画面で声優さんたちの演技力頼みな会話シーンもあり、「ユーザー側の想像力で補完して!」と言わんばかりの演出が頻繁に見受けられます(イラストのクオリティ自体はすごく高いです)。結局アニメーションがあったのもオープニングのみで、正直期待はずれでした…。また、「おはよう!」と話しかけてくるしずかちゃんなどのNPCにのび太くんが無反応なのも気になりました。質問形式の会話に回答できず、会話や質問に対しプレイヤー側からアクションを返せないことにモヤモヤしてしまいます。さらに、直前に発生したイベントでむちゃくちゃ喧嘩していたNPCが2人で一緒に仲良くお昼ご飯を食べていたり、夜に発生したイベントでもイベント内の世界ではお昼として扱われて「こんにちは!」と挨拶されるなど、イベントの発生タイミングによっては矛盾や違和感のある場面がありました。
オフライン協力プレイの仕様
協力プレイの特徴
- 2Pは仕事道具以外(食べ物やひみつ道具など)は使えない
- 1Pと2Pの距離に応じて自動でカメラが寄ったり引いたりする
- 1Pと2Pは体力を共有するので一緒に仕事をすると体力の減りが単純に倍増する
協力プレイ環境
PS5 本体 | 1台 |
ソフト | 1本 |
コントローラー | 2台 |
二人協力プレイに掛かる費用
ソフト代 | 5,500円 ※2022年12月22日時点 |
オンラインサービス | 不要 |
メインストーリーのクリア時間
50時間
夫婦コメント&評価
夫コメント
料理コンテストでは思わずムキになって何度もロードして再挑戦したのですが、一年目の時点ではしずかちゃんのショートケーキにどうやっても勝てませんでした。作物・畜産物の品質や料理の腕前など総合的に判断されるガチンコバトルなので、かなりやりごたえがあるコンテンツだと感じます!協力プレイでは1Pと2Pの体力が共有なので回復アイテムの確保が難しい序盤では農作業を進めているとあっという間に疲れてしまって何もできなくなり、結局NPCに手伝ってもらった方が効率が良いという始末なのが気になりました。また、2Pはひみつ道具を使えなかったり、夜の作業中にライトが灯らず2Pキャラの周りだけ真っ暗だったりとあくまでも「お手伝い枠」感が強かったです。ですが、自由に使えるお金が増えてくると回復アイテムを大量に買い込んで体力を気にせず2人で作業が進める事ができ、協力プレイの意義が発揮されるようになります。ある程度牧場の基盤が整った状態で2人プレイをすると、スムーズに楽しめるかと思います。
妻コメント
牧場物語のシステムとドラえもんのひみつ道具がうまく組み合わり、遠い惑星を舞台にしたファンタジックでSF感もある、他にはない牧場体験ができます。グラフィックが可愛くストーリー内容もとても良かったのですが、イベントの演出関連で少し勿体ない部分がありました。例えば静止イラストのキャラの表情が少し変わるだけで重要イベントが進行したり、真っ暗な画面で会話の文字だけが表示されるなど声優さんの演技頼みだったり、さらにはボイスすら無くテキストだけであっさり済まされてしまう会話シーンも多々あり、ストーリー内容が良いだけにそれを更に良く魅せる筈の演出部分の粗さがどうしても目についてしまいます。マップやキャラクター、料理アイテムをはじめとしたアイコングラフィックの作り込みは非常に素晴らしいのでもしも次回作が発売されるのならアニメーションの追加など演出部分の強化に期待したいです。