目次
ゲーム概要
『ムーングロウベイ』は、2021年10月26日に発売されたボクセルアートで描かれる釣りスローライフRPGで、2024年4月11日にはSwitch版、PS4/PS5版が発売されました。主な特徴として、様々なロケーションで漁業体験ができること、街の復興要素、濃厚なストーリーが挙げられます。
あらすじ
物語の舞台となるのは「ムーングロウベイ」と呼ばれる漁港。かつて栄えていたこの町は、とある事件が起きてしまったせいで活気を失い、寂しい空気に包まれています。駆け出しの漁師である主人公は、大切な人の最後の願いをかなえるために、街の復興を目指すことになります。
対応プラットフォーム
PlayStation4 / PlayStation5 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch / PC(Steam、Epic Games)など
※2024年4月15日時点
プレイ人数
オフラインマルチプレイ | 最大2人 |
実況プレイ&解説動画(生放送)
協力プレイ手順(オフラインマルチ)※Switch
約1時間程度のチュートリアル部分(網漁のやり方を教わるまで)はソロプレイで進める必要があります。
オフライン協力プレイ手順
あらかじめコントローラーを2台本体に認識させておく必要があります。
→Switchのコントローラーの認識方法はこちら
- +ボタンを押してメニュー画面を開きます。
- 「協力プレイ」を選択します。
- 画像のメッセージが表示されたら、2Pコントローラーの+ボタンを押します。
- 協力プレイが開始されます。
レビュー
オススメする点
- ボクセルの可愛いグラフィックと穏やかな音楽が織りなす世界観が素晴らしい
- 図鑑埋め、料理や街の復興など豊富なやり込み要素がある
- 住人との交流を通じて展開していく心温まるストーリー
- ボクセルの可愛いグラフィックと穏やかな音楽が織りなす世界観が素晴らしい
ボクセルで表現される港町ムーングロウベイは、独特の温かみのある夕焼け空などをはじめとして情景が丁寧に表現されていると感じました。また、寒冷地帯や温暖地帯などバイオームにも種類があり、陸上に上がって隅々まで探索ができるというわけではありませんが、氷に穴を開けて釣りができたり、温泉が吹き出している場所があったり、植生の違いがあるなど、船に乗っていろいろなスポットを回っているだけでも楽しめました。さらに、時間帯や天候によって雰囲気の変わる音楽は穏やかで優しく、思わず聴き入ってしまいます。そして、住人たちの表情や魚の躍動感などもボクセルで生き生きと表現されていて、丁寧にこだわって世界観を作り上げているのが伝わってきました。アップデートで写真撮影機能が追加された事で、よりいっそうムーングローベイでの探索が楽しくなっています。
- 図鑑埋め、料理や街の復興など豊富なやり込み要素がある
登場する魚は全151種類。実在する「キハダマグロ」などに加えて、まるで哺乳類のようにふさふさの毛が生えている「ウーリーヘッド」といったムーングロウベイの固有種も釣り上げることができます。釣り竿は全部で4種あり、釣り竿・ルアー・餌の組み合わせによって同じ場所でも釣れる魚が変わるため、試行錯誤しながら色んな場所で釣る必要があります。また本作では、釣った魚を料理することができます。レシピは全60種類で、新しい魚を釣ったり、調理で大成功を繰り返すと新たなレシピが解放されていきます。魚釣りと料理が密接に関わり合っているため、魚と料理の全種類コンプリートを目指せばやり込みプレイが楽しめると思います。
そして料理を販売して稼いだお金で、街の復興を進めていくことになります。図書館の修理や砂浜の掃除、駅の整備など、復興には結構な額のお金が必要で、協力ゲーム通信の場合はストーリーを中心にプレイしてもクリアまで40時間程度かかりました。そのため、やり込み要素も含めてプレイするとかなりじっくりと遊べるゲームだと感じました。
- 住人との交流を通じて展開していく心温まるストーリー
とある事件をきっかけに暗い雰囲気に包まれ、寂れてしまった街・ムーングロウベイ。しかし、主人公の娘が仕事をやめてムーングロウベイに戻ってきたことで、止まっていた時計の針が動き始めます。そして過去に立ち向かう事を決心した主人公が、街のみんなが辞めてしまった「漁業」を通じてムーングロウベイを覆う闇を取り除くために様々なことに挑戦していくといったストーリーが展開していきます。住人との交流を進めていく中で、「思い出の魚料理が食べたい」であったり、図書館や鉄道を再稼働したい、水族館を充実させて観光客を呼び込みたい、などの要望を叶えてあげながら、住人を勇気づけていくことになります。勇敢で思いやりのある性格の主人公にどんどん仲間が増えて、街が活気づいていく様子には心が温まりました。また、街に隠された歴史の謎に迫っていくストーリーは先が気になる展開になっていて、感情移入しながら楽しめました。
注意する点
- 細かいバグや操作性の悪さを感じる部分がある※2024年4月15日時点
- ゲーム終盤になると、やや作業感が出てくる
- ボス戦らしきものはあるが期待しているものとは違った
- 細かいバグや操作性の悪さを感じる部分がある※2024年4月15日時点
メニュー画面内にセーフエリアへのテレポート機能(※移動できなくなった時に他の場所に移動できる)はあるのですが、登れるけど降りられない場所があったりと、移動ができなくなってしまう事がゲームクリアまでに数回ありました。また、船での移動中はカメラ位置の調整がやや難しく、崖や氷壁が画面いっぱいに表示されてしまって船がどこを向いているか分からなくなり衝突しまくって船が故障してしまうこともありました。
加えて、2人協力プレイの際にも操作面で不便だと感じる点がありました。例えば船釣りをしたい時に最適なポジションにワンちゃんが座っているためスペース的にも2人だと狭くて釣りがしづらく、その上コントローラーのボタン配置的に会話をするボタンと釣りをするボタンが同じせいで1Pと2Pで会話を始めてしまい、同じ話を何度も聞く羽目になったりとストレスを感じる場面がありました。そのほかにも、キャンセルしたいのに連続で写真を撮ってしまったり、船を操作したいのに船室に入ってしまったりと同じボタンに多数の操作を割り当てられている事やアクションのアイコンも見ただけではわかりづらいデザインであることもあって誤操作を頻発してしまいました。十字キーにもボタンの割り当てがあればもう少し操作がしやすかったのではと思います。
- ゲーム終盤になると、やや作業感が出てくる
ゲームクリアのために沢山お金を稼ぐ必要があるので、ある程度魚を捕まえて図鑑埋めが進んだゲーム後半は、工程が簡単で利益率の高い料理ばかりを作っていました。協力ゲーム通信は「マグロの刺身」に目を付け、材料となる魚が獲れるエリアにひたすらこもって竿ではなく網を投げて範囲で乱獲し続け、大量に作成した「マグロの刺身」で一気に大量に稼ぐという方法で必要資金を集めたのですが、さすがにその過程は単調な作業の繰り返しということもあってゲーム内のキャラ同様に眠気に誘われてしまいました。
- ボス戦らしきものはあるが期待しているものとは違った
本作には体力という概念がなく、眠気に誘われてキャラクターがフラフラすることはありますが何日でも起きていられます。そのため、ボス戦のようなイベントで操作を失敗しても、ゲームオーバーになったり、直前のセーブデータに戻されるというようなペナルティは特に無く、何度も挑戦できるような仕様になっていて緊張感はありませんでした。また、ボスを倒すというよりは和解するというようなイメージで、状況を把握して攻略法を見つけていくようなパズル要素の強い内容になっています。そのため、幅広いプレイヤーに楽しめるようになっている反面、アクションゲームや戦闘が好きな方がプレイすると肩透かしを喰らう可能性があります。
オフライン協力プレイの仕様
協力プレイの特徴
- 2Pにストーリーや会話の進行権限なし
- 2Pもメインメニューやマップを開くことができる
- キャラ同士の離れられる距離に制限がある(画面分割ではない)
協力プレイ環境
Nintendo Switch本体 | 1台 |
ソフト | 1本 |
コントローラー | 2台 |
Nitendo Switch Proコントローラーでの操作にのみ対応(Joy-Con横持ちなどによるおすそわけプレイには未対応)。
二人協力プレイに掛かる費用
ソフト代 | 4,071円 ※2024年4月15日時点 |
オンラインサービス | 不要 |
クリアタイム
約40時間
夫婦コメント&評価
夫コメント
可愛いボクセルアートや穏やかなBGMが素晴らしく、癒されながらプレイできるスローライフ釣りゲームです。住人との交流を通じて街が少しずつ活気を取り戻していくストーリー内容にも心温まりました。操作面にやや難があるほか、いくつか移動に関する不具合があったりと惜しい点もあるのですが、図鑑や料理のコンプリートを目指すなどやり込みプレイが可能でじっくり遊ぶことができ、全体的なボリュームとしては満足できました。
妻コメント
農業主体が多いスローライフというジャンルでは珍しい、漁業がメインのゲームです。とある事件によって寂れてしまった漁港を復興するため、主人公とその娘が奔走するといったストーリー内容になっています。最初はまったく信頼されていない主人公ですが、街のために尽力するうちにNPCの態度が変化していき、街もどんどんキレイに整備されていったりと、進歩が目に見えてわかりやすいのでプレイしていて楽しかったです。協力プレイでは狭い船の上での魚釣りが難しかったので、一人は小舟に、もう一人は漁船に乗って釣りをしたりと工夫が必要でしたが、ボス戦では操作を分担することでスムーズにギミックを攻略できる場面もあったりと、協力する楽しさはしっかり味わえるゲームだと思います。