ゲーム概要
『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』は、2022年6月24日にNintendo Switch用ソフトが発売されたアクションゲームです。人気シミュレーションRPG「ファイアーエムブレム 風花雪月」の世界観をベースに、本編ではありえなかったもう一つの物語を体験できます。本作の主な特徴として、ファイアーエムブレムの戦略性と無双シリーズの一騎当千アクションが融合した新感覚のバトル、個性あふれる魅力的な仲間NPCたちとの交流要素などが挙げられます。
なお本作はオフライン画面分割プレイに対応しています。
対応プラットフォーム
Nintendo Switch
※2022年7月4日時点
プレイ人数
最大2人(オフライン専用)
実況プレイ&解説動画(生放送)
画面分割プレイ手順
本作の画面分割プレイはエピソード4までゲームを進めると解放されます。
※エピソード4まではソロでゲームを進めていく必要があります。
- エピソード4までソロでゲームを進めていき、画面分割プレイ機能を解放します(じっくりと進めた場合、2人プレイが可能になるまで4時間程度かかりました)。
- バトル準備画面で1Pコントローラーの-ボタンを押して2Pをゲームに参加させます。
- コントローラーの認識画面が表示されるので、各自でコントローラーのLボタンとRボタンを同時押ししてSwitch本体に接続します。
- 接続が完了したら1PコントローラーのAボタン(Joy-Con横持ちプレイの場合は上下左右の内の右ボタン)を押して次の画面に進みます。
- 画面右上に「2P参加中」と表示されていたら、1PコントローラーのBボタン(Joy-Con横持ちプレイの場合は上下左右の内の下ボタン)を押してメニュー画面を開きます。
- 1Pコントローラーを操作して「戦闘開始」を選択します。
- 1Pコントローラーを操作して「はい」を選択します。
- 画面分割プレイが開始されます!
レビュー
帝国・王国・同盟という三つの勢力が統治するフォドラの大地を舞台に、その中央に位置する士官学校の教師となって戦乱のさなかを生きる若者たちを育成し指揮していくシミュレーションRPG「ファイアーエムブレム風花雪月」。かつての学友と敵対し刃を向け合わなければならないというシリアスなシチュエーションが話題となり、全世界で340万本以上の売上を記録している人気ソフトです。
そんな「ファイアーエムブレム風花雪月」とコーエーテクモの「無双」シリーズのコラボ作品が、本作『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』です。本作では風花雪月本編の世界観をベースに、本編ではありえなかったもう一つの物語が展開していきます。一体何がありえないのかというと、本作の主人公は風花雪月とは全く別の人物となっています。
本編には登場しない筈の人物を主人公とし、同じフォドラの大地を舞台に全く違う視点から物語が紡がれてゆく様はまるでパラレルワールドのよう。そのため風花雪月を未プレイの方は全く新しい「ファイアーエムブレム×無双」ゲームとして、風花雪月をプレイ済みの方ならば、本編とは異なる結末を迎えられるのではないかという期待感を抱きつつ各キャラクターたちのまた違った一面を見ることができ、さらに楽しめる作品だと感じました。
謎に満ちた主人公を中心に紡がれていくドラマチックなストーリー
本作の主人公は傭兵としてその日暮らしを続ける逞しい若者ですが、出生は謎に包まれており自分の年齢すらあやふやという境遇にあります。しかしかなり肝が据わっているようで、戦いの直前まで寝ている主人公を仲間が起こしに来る場面から物語は幕を開けます。会話の流れで今回の戦いの相手は凄腕の「ジェラルト傭兵団」であること、そしてその中に「灰色の悪魔」と呼ばれる圧倒的な強さを誇る剣士がいることが判明。相手が誰だろうと勝ってみせると豪語する主人公でしたが、結局「灰色の悪魔」に惨敗。その上大切な仲間たちを呆気なく失ってしまい、仇討ちを決意することになります。
その後、宿敵である「灰色の悪魔」に復讐するべく修行をしていた主人公は、ある日3人の若者たちと運命的な出会いを果たします。アドラステア帝国の次期皇帝、エーデルガルト。ファーガス神聖王国の次期国王、ディミトリ。レスター諸侯同盟の次期盟主、クロード。彼らはなんと盗賊団に追われているらしく、主人公の戦いの腕を見抜いて助けを求めます。三者三様の魅力を持つ彼らと共闘することになった主人公は、この出会いをきっかけにどの陣営に加わるのかを決断する事になり、やがてのちに起こる戦乱の渦へと誘われていきます。なお本作は、どの陣営を選んだかによって以降の物語が分岐する仕様です。
戦いに明け暮れる登場人物たちが悩み苦しむ姿や、戦争に対して抱く葛藤、そして仲間との結束を強めていく様子が仔細に描かれていく本作。その演出は、戦略シミュレーションゲームの駒に過ぎなかった各ユニットに、キャラクターという命を吹き込んだファイアーエムブレムの真髄のようにも感じます。また、そうした細かな心情描写により正義感が強く仲間想いな主人公をはじめとした登場人物たちの魅力にどんどん引き込まれていき、失った仲間は戻らないクラシックモードでプレイした私たちは戦闘に一層力が入りました。
失った仲間は戻らない「クラシックモード」
クラシックモードは、戦闘中に倒されてしまった仲間キャラクターが永遠に戦闘から離脱するゲームモードのことです。その後のストーリーにも登場しなくなってしまいます。そこにはキャラクターを操作し指揮するという責任と重みがあり、主人公が冒頭で大切な仲間を失っていることも相俟って、「仲間を失いたくない」という気持ちとシンクロしながらプレイしました。なおゲームの途中でクラシックからカジュアルに変更すると、再びクラシックに戻すことはできなくなります(カジュアルで開始した場合も、途中でクラシックに変更できません)。
それぞれ違う面白さを持つ、3つのゲームパート
本作には「軍備」「進軍」「戦闘」という3つのゲームパートが存在します。
軍備パート
「軍備」は、拠点で戦闘の準備を整えるフェーズです。拠点内は自由に探索が可能で、各種商店で道具や素材を購入したり、戦闘中に達成した実績に応じて褒賞アイテムを受け取ったり出来ます。さらに各施設を改良する要素もあり、例えば訓練場を強化すれば上位兵種が解放されたり、鍛冶屋を強化すれば武器を錬成した際に強化値が増加するといった恩恵を受けられます。ただし施設改良にはそれぞれ指定の資材が必要で、改良を進めるほどに上質な資材を要求されるようになります。上質な資材はストーリーの進行具合に応じて入手可能になるため、ゲーム序盤からいきなり拠点を最高レベルまで改良するような事は出来ません。
キャラクターと絆を深める
さらに軍備パートでは仲間との交流も可能です。食堂で料理を振舞ったり、贈り物をしたり、「遠乗り」に誘ってのんびりお出かけしたりと様々な方法で絆を深めていき、支援値が一定に達するとキャラクター間の「支援レベル」が上がります。支援レベルが上がると支援会話と呼ばれるキャラクター同士の会話イベントが発生するほか、その仲間を副官にして共闘した際に得られる恩恵が増えていき、例えば連携奥義の威力が上がったり、個人スキルを共有して戦場でさらなる力を発揮できるようになります。
進軍パート
「進軍」はマップを見て、どこから攻めていくか決断するフェーズです。マップ上に置かれた金と赤の大きなオブジェクトが各エピソードの最終目的地を表しており、そこに到達するまでのルートを選択します。例えば、ストーリー進行に影響はないものの豪華な報酬を得られる「エクストラクエスト」が発生している場合、報酬を求めてそちらに進軍するか、あるいは目的地までの最短ルートを選ぶのかはプレイヤーの自由となっています。
占領が完了したエリアには村や洞窟といった調査地点があり、様々な報酬を受け取ることが出来ます。なお、メインクエストを達成するとその地域ではそれ以上進軍できなくなり、たとえ調査地点やエクストラクエストなどが残っていても全て消滅して次のエピソードに進んでしまうのでやり残しがないよう注意したいです。
戦闘パート
「戦闘」パートでは、様々なメインミッションを達成して勝利を目指します。勝敗には直接関係のないサイドミッションも用意されており、サイドミッションを達成すると戦況を有利に運べたり、追加の報酬を獲得出来ます。
操作は無双作品らしくシンプルで、弱攻撃と強攻を連打するだけでもコンボ攻撃が可能となっているほか、兵種の固有アクションや、戦技・魔法、ガード、回避、受け身などを駆使しながら戦うことになります。本作では戦技・魔法を使うと武器の耐久度が減っていき、耐久度が足りなくなると戦技・魔法が使えなくなりますが、耐久度は戦闘終了後に回復するほか戦場でアイテムを拾うことでも回復します(ファイアーエムブレム作品では耐久度が無くなると武器は壊れてしまうのですが、本作ではその心配はないのでガンガン戦技を使えます!)。なお、どのキャラもデフォルトで回復薬を2つ所持しているので、危なくなったら自分のタイミングで体力回復が可能です。さらに操作していない仲間キャラクターも、行動方針の設定から自動で回復薬を使用するよう指示出来ます。
戦略性と爽快感が共存する「風花雪月無双」のバトル
2017年発売の「ファイアーエムブレム無双」に続き、本作にも戦況に応じて仲間を指揮するシステムが搭載されています。砦の制圧や味方の護衛など、プレイヤーが忙しく戦っている間は味方NPCに指示を出して代わりに向かってもらい、戦闘の効率化を図ります。その際は武器の"三すくみ"や"特攻"といった交戦時の相性を考慮し出来るだけ味方が苦戦しないようにしたりと、ファイアーエムブレムのシミュレーションRPG要素が味わえました。
また、各エピソードの最終ステージでは「作戦」の利用が可能で、自軍の陣形をより堅固にしたり、敵将を説得して仲間にしたり、マップ内に新たなルートを作成して攻略の幅を広げるといった戦闘を有利に運ぶための策を講じることができます。
一方、敵のスタンゲージを削り隙を突いて必殺の連撃を叩き込んだり、無双奥義や覚醒の発動といった必殺技で大量の敵を薙ぎ払っている時などは「無双」らしい一騎当千の爽快アクションを楽しめました。
協力プレイで役割分担!
目まぐるしく戦況が動くなか敵の増援や奇襲に対応したりサイドクエストまで達成しようとすると戦闘操作と指示出し操作でかなり忙しいことになるので、2人プレイで役割分担しながら進められるのがかなりありがたいです。協力ゲーム通信は難易度ハードかつクラシックモードでプレイしたのですが、敵の攻撃がかなり痛いこともあってボス戦に緊張感があり、戦闘がより白熱しました。なお画面は上下に2分割なので少し見辛くなってしまう点と、2Pプレイヤーは戦闘時以外に操作権限がない点には注意が必要です。
オススメする点
- シナリオが丁寧で感情移入しやすい
- キャラクターとの交流が楽しめる
- FEと無双の融合したバトルが面白い
注意する点
- 画面分割プレイはソロでエピソード4まで進めると解放される
- 上下2分割なので画面が見辛いかも…
- バトル時以外は2Pに操作権限が無い
画面分割プレイの仕様
協力プレイの特徴
- 画面は上下に分割されます
- バトル時以外は2Pに操作権限がありません
- バトル中は2Pもマップ画面から仲間NPCに指示を出せます
協力プレイ環境
Nintendo Switch本体 | 1台 |
ソフト | 1本 |
コントローラー | 2台 |
Joy-Con横持ち(おすそわけプレイ)、Joy-Conグリップ、Nintendo Switch Proコントローラーに対応。
※Joy-Con横持ちプレイ時、カメラ操作ができなくなるなど操作に制限がかかります。
二人協力プレイに掛かった費用
ソフト代 | 7,920円 ※2022年7月4日時点 |
オンラインサービス | 不要 |
夫婦コメント&評価
夫コメント
FEらしい戦略性と無双の爽快アクションが合体した戦闘パートが良かったです。やり込み要素も豊富で、キャラクターたちとの交流、拠点の改築、兵種の解放、各種スキルの会得などに加え、3つの陣営のどこに協力するかによって物語が分岐するため周回プレイも楽しめる仕様で、長時間じっくり遊べるソフトだと感じました。なお、画面分割プレイの際は敵味方入り乱れる戦場で役割分担しながらプレイできるので効率よくステージ攻略ができ、楽しめました。しかし上下2分割のため少し画面が見辛い点と、戦闘ステージ以外では2Pに操作権限が無い点に注意が必要です。「FE風花雪月」を未プレイの方もバッチリ楽しめますし、プレイ済みの方ならばさらに味わい深くなる、非常に出来の良い無双コラボ作品だと思います。おすすめします!
妻コメント
無双コラボ作品ということでやはり「FE風花雪月」のファンの方向けなのかな?と想像していたのですが、予想をあっさり裏切られました。ストーリーの流れが把握しやすいよう丁寧にシナリオが展開していくため事前知識がほぼなくても没入しやすいです。さらに登場するのが魅力的なキャラクターばかりなので交流を重ねていく内にお気に入りのキャラが出来てかなり感情移入してしまい、ストーリーの続きが気になって夢中でプレイしました。また、主人公に個性が無いわけではないのですが提示される選択肢が豊富なのである程度は自分好みのキャラクターを演じることができ、没入感が高まりました。シンプル操作で繰り出せる爽快なアクションと戦略的なバトルが組み合わさった面白さを味わえるだけでなく、キャラ強化をはじめとするやり込みプレイも可能で、ボリュームたっぷり遊べるゲームです。おすすめです!