PlayStation 4 PlayStation 5 Nintendo Switch

聖塔神記 トリニティトリガー

★★★★★
★★★★★

ゲーム概要

『聖塔神記 トリニティトリガー』は、2022年9月15日に発売されたアクションRPGです。主な特徴として、武器を即座に切り替えて戦うバトルシステム、王道ファンタジーなストーリー、戦闘・フィールド探索・NPC会話などの中から攻略方法を探していく「発見」がテーマのゲームプレイが挙げられます。

あらすじ

物語の舞台は、トリニティアと呼ばれる自然豊かな世界。小さな村で静かに暮らしていた主人公シアンは、ある日自分が混沌の神々に選ばれた「混沌の戦士」であることを知り、そして対となる存在「秩序の戦士」との戦いを宿命づけられていることを知ります。そして、過酷な運命に導かれるようにして集まった仲間エリス・ザンティスとともに、運命に抗う旅に出ることとなります。

対応プラットフォーム

PlayStation4 / PlayStation5 / Nintendo Switch
※2022年10月9日時点

プレイ人数

最大3人(オフライン)

実況プレイ&解説動画(生放送)

協力プレイ手順(オフライン※Switch)

協力プレイ機能は仲間が3人になった時点で解放されるため、そこまではソロでゲームを進めていく必要があります。

  • 仲間が3人になるまでソロでゲームを進めていき、協力プレイ機能を解放します(じっくりと進めた場合、協力プレイが可能になるまで約3時間程度かかりました)。
  • メニュー画面を開き、左側のリストに追加されている「協力プレイ OFF」の項目を選択します。
  • 2人でプレイする場合は「協力プレイ 2P」に、3人でプレイする場合は「協力プレイ 3P」に変更し、2台目以降のコントローラーをNintendo Switch本体に接続します。(コントローラーの接続方法についてはこちらの記事にまとめています。)
  • 協力プレイが開始されると、各自が操作しているキャラクターのアイコンに「1P」、「2P」と表示されるようになります。

レビュー

価格に見合わないボリューム

主要なサブクエストを含めても協力ゲーム通信がクリアまでに要した時間はわずか15時間弱と、RPGとしてはやや物足りない印象を受けました。世界観の規模が大きく他にもまだ倒すべき敵はいるような物語の広げ方だっただけに、根本的な解決ができていないまま無理やりエンディングを迎えたような展開運びに消化不良を感じてしまいました。

また、ゲームが進むにつれて最初は気付かなかったマップの使い回しや敵種類の少なさも目立つようになりました。さらに、キャラクターの立ち絵グラフィックは魅力的で可愛いのですが3Dグラフィックの方は全員どこを見ているのか分からない無表情で、かつ喋っているときに口すら動かなかったりとグラフィックの質が低いです。売りにしていた筈のアニメーション演出が使われるシーンは数える程度しかなく、そこに期待してしまうと肩透かしを食らう可能性が高いです。サブクエストの中にはストーリー性の高いものが幾つかあるものの、基本的には「何処かに行って指定されたアイテムを取って来る」という風なお使い系が多いことも残念に感じました。

その上、メインキャラクターたちの個性を補完するようなストーリーがDLCとして販売されています(しかも結構な値段で…)。そもそも定価8,580円というフルプライスで発売しているにも関わらず、この売り方はちょっと酷いのでは…と感じてしまいました。

追加シナリオは1人につき770円、4人分セットだと2,310円で販売しています。

不親切設計が快適なゲームプレイを妨げている

ゲームをプレイしていて不親切だと感じる部分がいくつかあり、中でもクエスト目的地の分かり辛さがストレスになりました。探索し、自ら道を「発見」して切り開いていくゲーム体験を醍醐味としている事は理解できるものの、マップ上に目的地マーカーなどが付いていたりもせず、目的地までの距離を示すナビなども無く、誘導が曖昧なせいでよく迷ってしまいます。さらに「ついて来て!」とまるで道案内をしてくれるかのような発言をしたNPCが次の瞬間には姿を消し結局自力で進む必要があったり、失踪したキャラクターをヒント無しで探し回ったり、出口が不明のダンジョン内を行ったり来たりするのは無駄に時間がかかり、ストレスを感じました。

加えて、バトル中のAI仲間の行動にも頭を悩まされました。ギミックや敵の攻撃を回避しないため簡単に倒されてしまうのです。近接武器を装備させているときは特にそれが顕著で、アグレッシブすぎて突っ込んで行ってすぐ玉砕します。最初は倒れるたびに蘇生薬を使っていたのですが、後半になるともはやすぐ戦闘不能になってしまうAI仲間が1人居ようが居なかろうが火力に変わりがなかったので、戦闘中は大抵の場合誰か1人が戦闘不能状態のままでした…。

また、武器ごとに装着するマナタイト(強化パーツ)の付け替えが少し面倒で、各武器には攻撃系のマナタイトを3つ、防御系のマナタイトを3つと計6つのマナタイトをセットできるのですが、例えば剣に装備しているセットをそのまま双剣にも流用したいと思っても一々手作業で付け替えていく必要があり地味に手間がかかるのが気になりました。

他にもダンジョン内の宝箱のミミック率が高すぎることも気になりました(体感では半々の割合でミミック)。敵に追われている最中に急いで宝箱を開けるとミミックだった事があり全滅してしまったので、それ以降は探索中にせっかく宝箱を見つけても開けるのを躊躇ってしまう場面が何度かあり本末転倒のように感じました。

下水道はミミックだらけ!

メインテーマとして掲げられている「発見」の仕組みも味気ない

本作はゲームプレイ中の「発見」をメインテーマとして掲げており、そこに伴う喜びや達成感をユーザーに提供するのを意図している事は至る所から伝わってきます。しかし具体的な「発見」の内容としては「裏道やオブジェクトの背後に見にくく配置された宝箱探し」「攻撃するだけでわかる相手の弱点探し」「普通に会話したら発生するサブクエスト」「数種類しかないダンジョンのギミック」などが挙げられ、良く言えばシンプルでわかりやすい一方で、ゲームに慣れている人からすれば物足りないと感じる可能性があります。

よく見ると…木の影に宝箱が。

ゲーム開始当初こそ、ダンジョンのギミックをどうやって解決するのか考えたり、マップ内の宝箱の数が常に表示されているので意欲的に宝箱を探す気になれたりと冒険のワクワクを味わうことができたのですが、仕掛け全般の使い回しによってプレイヤーの行動がパターン化していく事が徐々に新鮮味が薄れる原因になっていると考えられます。何れにせよ折角のテーマである発見システムを生かしきれていないように見受けられ、勿体無く感じました。

ボス戦には一定のやりごたえがある

ボスにはアーマーゲージが設定されていて、攻撃を当て続けてゲージを削り切ると本体にダメージを与えられるシステムになっています。さらにボスごとにそれぞれ違うギミックが用意されていて、例えば特定の武器でのみ破壊可能な障害物を壊しながら戦ったり、敵の纏うオーラの色が有効武器のヒントになっている等、やり応えのあるボス戦が楽しめました。また、ボスの使用する強力な攻撃には範囲予告が表示されるため回避しながら戦ったりと、位置取りが重要なバトルが展開していきます。

赤いライン上に居ると強烈な攻撃を食らってしまいます。

バトル操作はとてもシンプルで、同じボタンを連打するだけでコンボを繰り出せるほか必殺技やウェポンオーラ(一時的な自己強化スキル)の発動などもワンボタンとなっています。使用するボタンが全体的に少なめでアクションゲームに不慣れでもプレイしやすいカジュアルさが本作の魅力だと感じました。一方で、ジャスト回避を成功させればスタミナが回復し即座に攻勢に転じる事が可能だったりとテクニカルな戦いも楽しめる様になっています。

戦闘中にはリングメニューから武器変更とアイテム使用が可能で、リングメニューを開くとたとえバトル中でもゲームが一時停止されます。そのため、そこから戦略的な立ち回りに繋げていく事ができました。例えば、ボスのアーマーゲージを削りきってスタンさせたところでリングメニューを開き強化アイテムをふんだんに利用、その後の必殺技や強力な攻撃へ繋げて畳み掛けるといったこともできます。また協力プレイの際は敵のターゲットになっているプレイヤーが逃げ回り、他のプレイヤーが攻撃役になるといった連携プレイも楽しめました。

ギミックを処理しつつ反撃の隙を窺ったり、エフェクトのかっこいいスペシャル技を撃ち込めたりと、シンプルな操作性でやりごたえのあるボスバトルを体験できるのは本作の魅力だと感じました。

武器性能を強化する「マナタイト」の仕組み自体は面白い

レベルアップによるスキルポイントの割り振りや、新たな技の習得、武器や防具の強化・改造といったキャラ強化要素が無い本作ですが、代わりのキャラカスタマイズ要素として「マナタイト」システムが搭載されています。

マナタイトは武器に装着する強化パーツの様なイメージで、レアリティの概念やランダムで付与される特性などがあり、組み合わせ次第で戦闘の難易度が変わるほどの効果があります。武器種ごとに連続攻撃速度が高い、クリティカル率が高い、などの特徴があるためそれに合わせてマナタイトを選べば武器の個性を生かしつつさらに能力を強化することができます。また、攻撃力アップ、防御力アップと言った基礎ステータスを向上させるものや、攻撃時にHPを回復したり、ボスのアーマーゲージを削りやすくするといった効果も存在し、キャラビルドの幅を広げていると感じました。

マナタイトは敵がドロップする他、クラフトでも入手できます。

オススメする点

  • 操作性がシンプル
  • ボス戦にはやり応えがある
  • 武器性能を強化する「マナタイト」システムは面白い

注意する点

  • ボリューム不足だと感じる
  • グラフィックの質が高くない
  • 不親切設計な部分がある

オフライン協力プレイの仕様

協力プレイの特徴

  1. 仲間が3人合流するまで協力プレイが始められない。
  2. アイテムメニューを開いて各自で回復・蘇生などが可能。
  3. 宝箱を開けられるのは1Pのみ。
  4. 一画面を共有してプレイ(離れすぎるとカメラが動かなくなる)

協力プレイ環境

Nintendo Switch本体1台
ソフト1本
コントローラー2台

Nitendo Switch Proコントローラーでの操作にのみ対応(Joy-Con横持ちなどによるおすそわけプレイには未対応)。

二人協力プレイに掛かった費用

ソフト代8,580円 ※2022年10月9日時点
オンラインサービス不要

夫婦コメント&評価

夫コメント

夫「ぴろき」
  • ★★★★★
    ★★★★★

この価格でクリアまで15時間程度(しかもちょっと苦戦してます)というのは正直肩透かしで、ストーリー的にもここから盛り上がってくるのかと思ったらエンディングだったのでかなり衝撃を受けました。武器種も少なく、レベルが上がっても新しいコンボ技が解放されるわけでもなく、コンボ内容を変更できるのですがその種類も少ないです。そのため、キャラビルドやボリュームに期待して購入するのはやめたほうが良いです。一方操作性はシンプルで、ボス戦にはやりごたえがありました。

妻コメント

妻「こはく」
  • ★★★★★
    ★★★★★

全体的にキャラクターの掘り下げが足りないのかな、という印象を受けました。主人公パーティはみんな魅力的で良い人なのは勿論分かるのですが物語の中で一人一人の過去が丁寧に語られる事はなく主人公以外は生い立ちが不明のキャラクターに感情移入するのが中々難しいままクリアに至りました。またどのキャラクターについてもですが現状ゲーム内で明かされている情報が少なすぎてうわべをなぞった部分の人間性しか見えて来ないため思い入れが作り辛く、キャラクターデザインやキャラボイスが魅力的なだけに推したくても推しきれないのが勿体無く感じました。

公式サイト

『聖塔神記トリニティトリガー』のスコア

5.5

グラフィック

5.5/10

操作性

7.0/10

ボリューム

4.0/10

ストーリー

5.5/10

オリジナリティ

5.5/10
  • この記事を書いた人

協力ゲーム通信

二人そろって幼稚園児(年長)時代に無事ゲーマーデビューを果たし、それ以来の人生をゲームに捧げてきたヘビーゲーマー夫婦です。カップルやフレンドだけで楽しめる協力プレイ可能なゲームをじっくりプレイした上でレビューします!

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