こびとになって広大な世界を冒険できるサバイバルアクション「Smalland: Survive the Wilds」の早期アクセス版が2023年3月29日についにリリースされましたので、オンラインマルチプレイで遊んでみました。2021年9月に期待度ランキングで紹介してからというもの、プレイできる日をずっと心待ちにしていたのでプレイできて嬉しいです(日本語対応も嬉しい)!
開発元からは「深みやマップサイズの面で”大作”になることを目指して、早期アクセスを通して引き続き成長を続けていく予定」というアナウンスがあり、製品版に向けて更なるパワーアップに期待しつつ、「こびと目線で描かれる世界観」「建築システム」「昆虫のテイムシステム」など本作のオリジナリティの高い魅力についてレポートしたいと思います。
また本記事では「オンラインマルチプレイの始め方」「基本的なゲームの流れ」など序盤の攻略ヒントも掲載したいと思います。
なお、虫が苦手な方は本記事を読むにあたって注意が必要です!
目次
まずはキャラクリ!珍しくイケメンキャラの作成に成功!?
早期版ではキャラクリがあまりできないケースが多いのですが、本作は早期版の時点でも比較的細かい設定が可能でした。
一部翻訳がおかしく、赤色が「発射」と表示されているなどツッコミどころはありましたが、「触覚の形」「瞳の形」や「耳の形」などは数パターンから選択でき、さらに髪色も13種類から選択でき比較的満足できるイケメンキャラを作ることできました。
オンライン協力プレイはゲーム開始と同時に簡単に始められる
本作は最大10人が参加可能なプライベートワールドを作成し、協力プレイが可能です。ワールドの作成方法はとても簡単で、ワールド名を入力して「オンライン」の項目にチェックを入れ、サーバーパスワードを設定するだけでゲーム開始後すぐに協力プレイが可能でした!
サーバーに細かい設定はできませんが、PVP要素を望まない場合はフレンドリーファイアをオフにしたり、戦闘が苦手な方や建築クラフトを楽しみたい方にはピースフルモードも用意されています。また本作には昆虫がわんさか登場しますが、蜘蛛が苦手な人向けには「クモ恐怖症モード」が用意されていますので、安心(!?)です。
ストーリークエストっぽいものが現時点でもある
現時点ではオープニングムービがありません。また世界観に関する説明も一切なく、「ヴァンガード部隊へのヴァルデマール王の演説より」という謎の怪文が表示された直後にゲームが始まります。
まだ早期アクセス版ということもあり「とりあえずサバイバル部分だけ楽しめればいっか!」程度に考えていましたが、進めていくうちに「女王様が病に伏せていて、それを治療できるポーションはあるものの、ポーションを保管しているチェストのカギが盗まれた!」というストーリーらしきものが存在することが判明。現時点では背景事情などが分かりにくいので、今後のアップデートでストーリー部分が充実していく事に期待したいです。
またメインストーリー以外にも各地域で凶暴化している巨大昆虫の討伐を依頼されることがあり、こうしたミッションをクリアするために装備強化や回復アイテムのクラフトを経て徐々にサバイバル生活に順応していけるゲーム設計になっているのも好印象でした。
丁寧に描かれた「小さき者」の世界
本作の世界観の説明文として「巨人の時代が訪れる前、わたしたちは太陽と月の下で自由に暮らしていました。その後、何世紀もの間にわたって、地表世界の物語は世代を超えて受け継がれてきました。巨人たちがいなくなった今、あなたは先遣隊として、この重要な任務を帯びて再び荒野に出ていかなければなりません。」という記載があります。フィールド上にはネジやパイプなど明らかに人工的に作られたモノが落ちていたり、大きな人骨の様なモノがあったり…。巨人族が人間だったとして、人類が何らかの理由で絶滅した後の世界(ポストアポカリプス)の様な雰囲気があり、想像が膨らみます。
そんな広大な世界をこびとになって冒険する本作ではそこら中に生えている雑草やキノコですら巨木に感じます。
また本作はグラフィックが高品質で、クルミをくり抜いて作ったチェストをはじめとした各オブジェクトは丁寧に作り込まれていてデザイン性も高いです。また光と影の演出も素晴らしく、画面越しに世界の空気感が伝わってくるようでかなり深く没入しながら冒険できました。フィールドには様々な環境がありますが、例えば海岸と呼ばれているところはこびと目線では大海に見えるけど人間にしてみたら水たまりぐらいなのかなぁと想像するのも面白いです。
建築にはかなりこだわれそうな印象!
過去に数々の欠陥住宅を建設してきた協力ゲーム通信ですが、今作での最初の拠点はなんと1マス部屋。
急な嵐から身を守るためとはいえ、酷すぎる…。この拠点に対して視聴者さんから頂いたコメントの「小屋」という言葉が、もはや優しさにあふれた誉め言葉と感じてしまう…。
その後嵐も過ぎ去ったので、改めて拠点を作っていきます。本作の建築の流れとしてはサバイバルゲームでよくある流れで、土台を作る→壁を作る→屋根を作る→シェルターになるが基本となっています。作業をしていて感じたのは壁などのオブジェクトの角度を360度調整できるので、細部までかなりこだわった建築ができそうです!(ただ、協力ゲーム通信のセンスでは……)
また、屋根が種類が多くてお洒落なので協力ゲーム通信が得意とするいわゆる豆腐建築でも、お洒落に見える建築物が出来そうな気配がしました。屋根って大事なんですね…。
地面を整地したり、フィールドに干渉するような建物は出来ないものの、物理法則に反した屋根の繋ぎ方も出来るみたいなので、アイデア次第ではすごい高い塔などの建築も出来るのではと思いました!
料理などのクラフトが楽しい(リアルでは絶対食べたくない料理ばかり!)
サバイバル生活を送る上で、食事はかなり重要です。空腹ゲージが30%を切ったあたりで「空腹とのどの渇きを感じています」と表示されます。水分を取る必要はないのですが、何か食べないとやがては継続ダメージを受けることになります。本作では空腹で死ぬことはありませんが、HPが最大10%まで削られてしまいます。
食事の取り方としては序盤はキノコやベリーなどをそのまま食べるということも出来ますが、焚火を設置してキノコを焼いてキノコステーキにしたりするとそこそこ空腹ゲージが回復します。また、各種昆虫を使った料理の数々を食べれば空腹ゲージはさらに回復します(絶対リアルでは食べたくない!想像すらしたくないw)なお序盤はアリの頭を串焼きで食べるのがオススメです…。
さらに「大釜」を設置すると、美味しそうな「イチゴのジャム」や「ブラックベリージャム」なども作れるようになります!これで昆虫を焼いて食べる生活ともおさらばできそう。イチゴジャムの説明文には「ケーキの具材としても完璧です」と記載があるので、冒険を進めればもっと複雑な料理も出来るようになるのではと思います。
昆虫との戦闘は危険がいっぱい!
まず、本作はマルチプレイを始めると敵が強力になる仕様になっているようです。
油断して背後を突かれたり、複数の敵に囲まれると簡単に倒れてしまうのでソウルライクにも似た緊張感のある戦闘が楽しめました。なお主人公の種族は食物連鎖の中でもかなり下の存在らしく、昆虫とエンカウントすると大抵襲われます。
そして倒れてしまうと、身に付けていた装備品以外の鞄に入っていた素材などはその場に全部落としてしまいます。ですが倒れてしまった地点にお墓ができるので、拾いに行けば全部取り戻せます。
本作のバトルにはスタミナ管理が必要で、攻撃ボタンを連打していれば勝てるほど甘いゲームではありません。状況に応じて回避やガードを駆使してヒット&アウェイで戦うのが基本となります。特に巨大な昆虫との戦いでは重たい攻撃を食らってしまうと一気にHPを削られてしまうので、包帯(回復アイテム)を片手に二人で挟みこみながら狙われていないほうが背面から攻撃したりと協力プレイならではの戦闘が楽しめました!
レベルやスキルツリーのようなキャラビルド要素はない
本作にはレベルという概念やスキルツリーの様なキャラクターを成長させる要素は残念ながらありません。自らのサバイバル経験に基づいて覚えたレシピで作る武器と、各地にいるNPCと交流して作って貰えるようになった防具でキャラクターを強化していく事になります。
最初はこん棒や木刀の様な基本的な武器しか作れませんが、冒険を進める中で手に入れる素材を使って色々な武器がクラフト出来る様になっていきます。例えばバッタの脚を改造して作れる「バッタの大鎌」は強攻撃のモーションがカッコよかったり、フリント(火打石)を素材にして作る剣や槍を装備すると攻撃力が一気に上がり、苦戦していた昆虫も楽々倒せるようになりました。
また、防具にはそれぞれ個性があり、例えば石装備は突き攻撃耐性があり防御面は優秀ですが、重さのせいで移動速度が下がってしまうといった効果があります。敵や環境に応じて最適な防具を選択する事でサバイバル生活を有利に進めることが出来そうです。
昆虫をテイムでき、ライドして一緒に冒険ができる!
本作の「昆虫をテイムして一緒に冒険できる」という部分にも期待していたので、すぐにでも仲間にしようと考えていたのですが…仲間にする方法がなかなか分からず、かなり苦戦しました。バッタなどと戦って体力を削ると「飼いならす(エサなし)」と表示されるので餌をそのタイミング渡せばいいのかなぁと考えて、アイテム説明欄に「昆虫用のえさ」という表記がある「昆虫の卵」を使ったりしたりしたのですが上手く行きませんでした。
結局、プレイし始めて5時間くらい経った頃にNPCから「ヤモリの餌」というレシピを教えてもらうまで、テイムには専用のエサが必要だと分かりませんでした。
テイムの手順としてはテイムしたい昆虫の専用のエサを作る→テイム対象のHPを半分程度まで削る→エサを与える→暴れる昆虫に近付きライドする、この手順で仲間になってくれました。ライドしながら冒険をしているとヤモリが可愛くて…どんどん愛着がわいてきました。全ての昆虫が仲間になるわけではないようですが、空中を飛べる昆虫もテイムできるらしく、こびとの世界を空から眺めたらどんな感じなんだろうと想像するだけもでかなりワクワクします!
最後に
早期アクセス版という事もあってオープニングや世界観の説明などの導入が特にありません…。ですがサバイバル部分は現段階でもとても面白く、こびと目線で描かれる世界の冒険を進めれば進めるほどに今後描かれていくであろうストーリー部分に期待が高まり、今後のアップデートで追加されていくのが楽しみになりました。
本作には残念ながら、現時点ではレベルやスキルツリーといったキャラビルド要素はありません。ですがパラメーターに影響を与える豊富な防具や、攻撃のモーションに違いがある「こん棒」「剣」「槍」「鎌」などの武器が用意されていることもあり、プレイヤー自身がサバイバル生活への順応していくなかで確かにキャラクターが強くなっていることを実感できました。
そして本作の戦闘はまさかの回避やガードが重要となる緊張感の高い戦闘だったこともあり、巨大昆虫との戦いはかなり楽しめました!そのため戦闘が好きな方にもオススメできると思います。
さらに本作は建築やクラフトも充実しています!家具や屋根の造形などオブジェクトが1つずつ丁寧に作られている印象で、建築センスが壊滅している協力ゲーム通信でも可愛く見える拠点ができました。
沼や森などバイオームは現時点でも多岐に渡りますが、今後のアップデートではマップのさらなる拡張を図るとのこと。開発元のゲームスタジオからは「大作」を目指すと意欲的なコメントも出ていますので今後にも大いに期待できます。
2023年4月6日まではセールで10%オフで購入できるので、興味のある方はぜひプレイしてみてください!