目次
ゲーム概要
『The Last Oricru』は、2022年10月13日に発売された3人称視点のアクションRPGです。本作の主な特徴として、やりごたえのあるバトルシステム、プレイヤーの選択や行動が様々な結果をもたらす分岐型のストーリー、そして多彩なキャラビルド要素が挙げられます。
なお本作は最大2人でのオフラインマルチプレイ(画面分割プレイ)とオンラインマルチプレイに対応しています。
あらすじ
物語の舞台は、中世ヨーロッパとSFの世界観が入り混じる惑星・ワルデニア。外宇宙から隔絶されたこの惑星では、覇権を巡って激しい内戦が繰り広げられています。そんな中、コールドスリープから目覚めたばかりの主人公は戦闘能力の高さを認められ、各勢力の陰謀渦巻く戦いへと巻き込まれていきます。
対応プラットフォーム
PlayStation5、Xbox Series X|S、PC(Steam)
※2022年10月20日時点
プレイ人数
オフライン(画面分割) | 最大2人 |
オンライン | 最大2人 |
実況プレイ&解説動画(生放送)
画面分割プレイ手順※PS5
チュートリアル部分をソロで進めていきレベルアップ用の装置を使えるようになるとマルチプレイが可能になります。※協力ゲーム通信の場合そこまで進めるのに進めるのに約1時間かかりました。
- 装置の近くで×ボタンを押します。
- 「COOPモード」を選択します。
- 「スクリーン分割」を選択します。
- 2台目のコントローラーを接続して×ボタンを押します。(コントローラーの接続方法についてはこちらの記事にまとめています。)
- 画面分割プレイが開始されます。
オンライン協力プレイ手順※PS5
招待側
- レベルアップ装置を調べて「COOPモード」を選択します。
- 「オンラインマルチプレイヤーを作成」を選択します。
- 「フレンドを招待」を選択します。
- PlayStationのフレンドリストが表示されますので、ゲームに招待したいフレンドを選択して招待を送信します。
参加側
- ゲームに招待されると画面右上に通知が表示されますので、コントローラーのPSボタンを押して通知を開きます。
- 「グループに参加」を選択します。
- ローディング後、マルチプレイが開始されます。
レビュー
オススメする点
- SFと中世のMIXした世界観が独特で面白い
- グラフィックやキャラクターデザインなどは意欲的に作り込まれている
- 装備のハクスラ要素が面白い
- SFと中世がMIXした世界観が独特で面白い
本作の物語は、コールドスリープ中の主人公がエイリアンのような生命体の襲撃を受けて死んでしまう…(?)という衝撃的なオープニングで幕を開けます。次に目覚めたとき主人公は記憶を失っており、なぜか中世を思わせる寺院のような建物の中にいて、取り外し不可能の不思議なベルトのせいで何度死んでも復活する状態になっています。そして意識を失う直前にAIから受け取った謎のメッセージを頼りに、異星人たちや数少ない人間の生存者たちとコミュニケーションを取りながら謎を解明して行くことになります。こうした本作の世界観は他には無いかなり特殊なものとなっており、ゲーム開始と同時に「一体ここはどこなのか」「主人公はどういう状況に置かれているのか?」と言った多くの疑問が生じ、その好奇心は本作の物語を進めて行く上での原動力になりました。


- グラフィックやキャラクターデザインなどは意欲的に作り込まれている
本作の風景や建造物といったグラフィックはインディーゲームとはいえ光るものがあると感じました。例えばゲーム開始直後に訪れる寺院の近くには大きな湖があり、そこには別の文明を感じさせる巨大な円環型のオブジェクトが浮かんでいたりと、本作のSFと中世ヨーロッパが融合した世界観ならではの個性的なロケーションを楽しみつつ探索ができました。また建築やキャラデザ、各種装備のデザインなどのセンスもオリジナリティが高く、キャラクター1人1人の顔立ちは異星人なので分かりにくさはあるのですが少しずつ違っていたり台詞に英語音声ではあるもののボイスが当てられていたりとこだわりを感じます。さらに、遠くの景色までしっかり描かれているなど、グラフィック面・デザイン面からは製作陣の熱意を感じ取ることができました。


- 装備のハクスラ要素が面白い
装備品のハクスラ要素が面白かったです。同じ装備品でもレアリティの違いによって性能に差が生じるほか、武器にランダムで付与される能力がユニークでした。その中でも「ライフ吸収」の効果は特に強く、敵を殴れば殴るほど体力が回復するのでこの効果がついた武器が出れば最後まで運用できるほどの頼もしさがあります。他にも、武器に炎や雷の力をエンチャントできたり、強攻撃が範囲攻撃に変化するものなどが用意されています。こうした武器の特殊能力が開花するかどうかは、割り振っているステータスの値に依存する仕様となっています。ステータスの振り分け方によって、例えば強靭性をひたすら上げて近接特化のパワータイプに育てたり、知力と精神力を上げて、遠距離魔法を使いこなす魔法使いに育てるなどのビルドが可能でした。装備品には重量の概念もあり、重装備すぎると動きが遅くなるなど、戦闘のリアリティを追求しようとする姿勢には好感を持てました。


注意する点
- 全体的に作りが粗く、プレイしていて無駄にストレスを感じる
- ストーリー重視型のアクションRPGと銘打っていた割にボリュームが無く物足りない
- 細部へのこだわりが感じられず全体的に洗練されていない
- 全体的に作りが粗く、プレイしていて無駄にストレスを感じる
プレイしていてストレスを感じる場面が多々ありました。たとえばダッシュのR3ボタン押し込み感度がとても悪く、押しっぱなしじゃないと走ってくれないので非常に使い勝手が悪いです。またカメラ感度が初期設定では異常に高い上カメラ距離が近く、画面酔いしやすかったです。カメラ感度に関しては設定から調整が可能なので少し設定をいじることをお勧めします。さらに本作にはマップやミニマップがないため北がどちらかも判断できません。それに加え目的地マーカーなども表示されないためかなり道に迷いやすかったです。そして、どこに行くべきか確認するためクエストリストを開くとめちゃくちゃ文字が小さくて読むのが難しく…余計に困ってしまいました。またとあるマップでは崖沿いの道で落下死の危険があるにも関わらず敵が曲がり角の死角一箇所に集中配置されており、初見殺しになっているどころか敵がいると分かっていても様子を見に行くのさえ危ない難所があり、ゲームの難易度調整に疑問を抱いてしまうようことがありました。

さらにマルチプレイ時にも気になる点がいくつかありました。例えばオンラインマルチプレイ中は頻繁にラグが発生し、ホストの画面とゲストの画面ではキャラクターの位置などゲーム内の表示に違いがあったり、ゲスト側の画面にストーリー会話の字幕が表示されない事が何度がありました。これは協力ゲーム通信のようにディスプレイを横並びにして二人でプレイしている場合は大きな支障は無いかもしれませんが、完全に離れた場所にいる相手とオンラインマルチプレイをする場合には大きな問題になると感じました。他にも、エレベータータイプの移動装置を使う際、床に設置されたボタンを踏むと装置が動く仕組みになっているのですが、キャラクターが乗る部分の面積に対して床のスイッチが大きすぎて意図せず踏んでしまい、上層と下層を何度も往復する羽目になったり・・・。他にも、どちらかのプレイヤーが梯子を上っている間はもう一人は梯子に触れることができず、ただ待っているという謎の時間が発生するのも気になりました。しかも梯子を上り下りする速度がかなり遅いので、余計にストレスを感じることになりました。さらに画面分割プレイ中は字幕テキストが1Pの画面内で見切れてしまい読めないなんてことも何度かありました。本作の場合、「プレイさえできればそれで良い」というまるでやっつけ仕事のような投げやりなゲームバランスの悪さがゲームプレイに不要なストレスを生じさせており勿体無いと感じました。ただしSteam版には大型アップデートが来ているようなので、PS版についてもアップデートによって細かいバグが修正される可能性はあります。(※2022年11月20日時点)

- ストーリー重視型のアクションRPGと銘打っていた割にボリュームが無く物足りない
クリアまでの時間は15時間で、ストーリー重視のゲームだと宣伝されていた割にボリュームに物足りなさを感じます。目玉とされていたプレイヤーの行動や選択による分岐システムも、登場人物の感情を深読みするようなものでは無く、「明らかにこの選択肢を選べばこちら側の陣営に味方することになるだろう」と判断できるような、単純で面白みにかける選択肢が提示されるくらいで、しかもエンディングの振れ幅もさほどありません。また本作はクリア後に強くてニューゲームのようなシステムが用意されておらず、セーブデータは上書きされていくのみでセーブデータを任意で分ける事が出来ません。そのため「あそこの選択肢やり直したいな」と思ってもやり直しがききません。しかも、折角育てたクリアデータを2周目以降で使う事が出来ないので、分岐後の別のストーリー展開を確認したい場合新規でデータを作成して完全に初めからプレイしていく必要があります。そして果たして二周目をプレイするほどの価値があるゲームかというと正直なところないと感じる作品でした。

- 細部へのこだわりが感じられず全体的に洗練されていない
インディーゲームである事を踏まえてみても、作りの粗い部分がかなり多いです。クリアまでプレイしたうえで、最初から最後まで洗練不足だという印象が強く残る作品でした。例えば攻撃モーション一つを取ってみても、もっさりとしたあまり格好良くない動きが目につきました。特に、片手装備と両手装備では盾を持てるかどうかの違いがあり、モーションの重みが違うのは当然だと思うのですが・・・どうしてかほぼ同様の速度で攻撃することができ、不自然さを感じました。一方、ゲームシステム面においても調整の甘さが目立っています。たとえばゲームの進行上の演出で宇宙船から出られなくなってしまう事があるのですが、その際に宇宙船内のチェックポイントを発見するまではレベル上げをすることができません。仮に推奨レベルを大きく下回った状態で宇宙船に閉じ込められた場合、敵が強すぎてそこから進めなくなってしまう可能性があるのではと感じました(難易度の変更はいつでも可能ではありますが・・・)。また、バトル面でも気になる部分がいくつかありました。その中でも腑に落ちないのが敵に攻撃を当てられるとスタミナをがっつり削られてしまう仕様です。スタミナ切れして何もできずフラフラになったところに畳み掛けるように攻撃してくるのですが、その攻撃がほぼ息継ぎ無しの猛ラッシュなのでコンボが途切れず、結局防御や回避にも繋げられず何もできないまま倒されてしまう…という事がよくありました。さらに、ボスによっては攻撃後に隙だらけで棒立ちになりタコ殴りで解決できてしまうようなめちゃくちゃ弱くてやりごたえのないボスがいたりと、「ソウルライク」という宣伝文句ばかりが一人歩きしている特段達成感を味わえないボス戦に拍子抜けしてしまいました。他にも、特定の武器を装備するための必要ステータスが高すぎて普通に考えて1周目では装備できそうにないのですが2周目にキャラデータを持ち越せない仕様となっているなど、あらゆる面においてバランス調整不足としか言いようがない粗い作りになっていました。

画面分割プレイの仕様
協力プレイの特徴
- 2PはNPCに話しかける事が出来ない
- 近づいて対応ボタンを長押しすると味方を蘇生できる
- 拾った装備品などのアイテムは共有される
- 画面は左右に二分割
- 同エリア内であればキャラ同士はいくらでも離れられる
- フレンドリーファイアは無い
協力プレイ環境
Play Station5本体 | 1台 |
ソフト | 1本 |
コントローラー | 2台 |
二人協力プレイに掛かる費用
ソフト代 | 4,998円 ※2022年10月20日時点 |
オンラインサービス | 不要 |
オンライン協力プレイの仕様
協力プレイの特徴
- マルチプレイ中はホストのストーリーのみが進行
- ゲストはNPCに話しかける事が出来ない
- 近づいて対応ボタンを長押しすると味方を蘇生できる
- 拾った装備品などのアイテムは共有される
- マルチプレイには自分のキャラデータで参加できずゲストはホストのキャラの分身を操作することになる(スキルポイントなどは自分で割り振れる)
- 同エリア内であればキャラ同士はいくらでも離れられる
- フレンドリーファイアは無い
協力プレイ環境
PlayStation5 本体 | 2台 |
ソフト | 2本 |
コントローラー | 2台 |
二人協力プレイに掛かる費用
ソフト代 | 4,998円×2本=9,996円 ※2022年10月20日時点 |
オンラインサービス | PS Plusに加入が必要 |
夫婦コメント&評価
夫コメント

ストーリー部分に期待していたので、どんな選択をしても特に振れ幅のない内容に拍子抜けすると同時にがっかりしてしまいました。また戦闘に関してもソウルライクと聞いてやりごたえに期待していたのですが、スタミナベースなだけ、倒されるとその場に経験値を落とすだけであって、ソウルライクのような手に汗握るバトルを期待すると肩透かしを食らう可能性があります。さらに、スキルポイントの振り直しができないため、途中から別のビルドを試したいと思ってもなかなかやりづらいところに問題があると感じました。一応、指輪アクセサリーの組み合わせで振り分け済みのスキルポイントを別のステータス値として運用したりもできるのですが、それにも限界があるのでどうやっても装備できない武器などが出てきてしまいもどかしさを感じました。全体的に見ても完成度が低いゲームですが、インディーゲームということもありグラフィック部分や独自の世界観などには光るものを感じます。次回作に期待したいところですが、まずはSteam版でも大幅アップデートが実施されたようなので、コンシューマー版にもアプデでのバグ修正対応を待ちたいと思います。
妻コメント

ストーリー内容は専門用語が多く登場人物も多いせいでやや難解だと感じました。「正義の反対は別の正義」という戦いの裏側にあるジレンマを表現しようとする意欲は見受けられるものの、主人公がプレイヤーそっちのけで会話することが多くいつでも余裕のある人間性を表したかったのだとは思うのですがシリアスシーンで急におちゃらけたりするので感情移入がしづらいです。そのせいで、別の選択をした際にはどんな展開が待っていたんだろう・・・と気になることがほぼなく、一本道のストーリーを特に興奮したり悲しんだりすることもなく無感情にプレイしてクリアしてしまいました・・・。倒した敵キャラがぐにゃぐにゃな動きをしながら吹っ飛んでいったり、床の下の空間に入り込んで出られなくなったりととにかくバグが多い印象でした。配信中は一度オンラインマルチプレイが不可能になり、そこからは配信外でプレイする時もほぼオフライン画面分割プレイで進めました。楽しみにしていたバトル面ではボス戦のギミックにがっかりするような事が多くストレスばかりだったのでやりごたえのあるバトルに期待している方にはお勧めしません。